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どうでもいい現金の話

2017年04月24日

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

先日、新聞に「タンス預金が増えている」という記事がありました。

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<タンス預金が止まらない 3年で3割増、43兆円 富裕層、現金志向強める>
(2017年4月3日付 日本経済新聞)

「タンス預金」、銀行に預けずに現金で保有されているお金のことですが、それがなんと43兆円もあるそうです。今発行されている紙幣はおよそ99兆円あるそうですが、そのうち預金や決済などに使われている分、すなわち金融市場に出ている分は56兆円しかない、つまり43兆円は家計に眠っているらしいのです。

99兆円のうち43兆円も家のタンスか床下か金庫か知りませんが、眠っている。しかもこの3年で3割も増えているとのこと。

このキャッシュレス時代に、いったいなぜ、最近急にタンス預金が増えているんでしょう?

同記事によると、要因のひとつは「低金利」だそうです。

確かに銀行に預けていても、時代はゼロ金利です。預金利息はほぼ付きません。引き出したり、振替などをするたびに手数料が取られることを考えますとこれはもう実質的に「マイナス金利」です。「銀行に預けても損をする。だから手元に置いておく」という考えはわからないでもありません。

しかし、タンス預金には盗難とか火事などの災害で現金を失ってしまうリスクもありますよね。多くの人は、預金は実質的にマイナス金利状態であってもリスクを避けるための保管コストと割り切って考えていると思います。

そんなリスクを負ってまでもタンス預金が増えているのはマイナス金利の影響だけではないですね。

間違いなく一番の要因は「マイナンバー」でしょう。

マイナンバーですべての銀行口座の動きがわかるようになりました。私たち庶民には関係ない話ですが、多額の納税をしているような富裕層の皆さんはお金のやりとりを税務署に捕捉されることを嫌います。脱税とか極端な話じゃなくても、そもそも色々詮索されること自体が嫌なのです。

私、社会人の最初の10年ほどは銀行員をやっておりましたが、お客様の要望に応じてよく多額の現金を運んでいました。

今でこそ厳しくなりましたが、名義がよくわからない口座があったりすることもありましたね。今は本人確認も相当厳しくなり、そんな名義があやふやな怪しい口座は作るができなくなりました。一回での取引金額にも制限があります。お金の移動そのものへの監視が厳しくなっているのは事実です。だから、余計にお金のやりとりの記録を残したくないという人が一定の現金を手元に置いているだと思います。

だから今、大きな金庫が売れているのだそうです。しかし金庫は相当重いですから、万が一の時に持って走るようなことは出来ませんね。

そもそも紙幣も億単位になってくると結構重いのです。

銀行員になった新人の男性が一番最初にやることが多い仕事が、窓口の後方でお金を整理する仕事です。「資金係」と呼ばれ、来る日も来る日をお金をまとめて束にして、金庫に運んだり、現金輸送車に載せたりします。

これがかなりの力仕事なのです。例えば、一人で抱えて運ぶことが可能なのは大体1億円までです。1億円だと重さは約10Kg。1千万円の束の高さがおよそ10cmなので1億円ともなるとうまくまとめないと片手では持てません。2億円ともなってくるともう台車が必要です。

先日、福岡で3億8000万円もの現金が盗まれたという事件がありましたが、まずそのニュースを聞いて感じたのは「よく運べたな」ということです。3億8000万円というと重さで約38Kg。キャリーバックに入れていたということですが、相当重くてうまくコロコロも引けないと思います。

運ぶ方も大変なら強奪する方も大変です。やはり複数人の犯行ということでした。物騒な話なので早く解決してもらいたいものですね。

現金にはリスクがある、ということと、現金は重い、という、まあどうでもいい話でした。