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半沢直樹と出向

2013年09月26日

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

先週日曜日が最終回だった「半沢直樹」。面白かったですね。

 

私もバブル入行の銀行員でしたので昔に原作(俺たちバブル入行組)を読んでいました。でもドロドロした銀行の組織風土が生生しくて、いやーな読後感だったんです。

だからドラマも見ずにいたんですけど、あまりに評判がいいので途中から見てみたら・・・
これが面白いんですね。

原作とほぼ同じストーリーですが、わくわくするエンターテイメントになっている。これが演出家の腕なんでしょうかね。

 

ところで、ドラマの中では「出向」がまるで地獄行きみたいに言われてました。

銀行の出向には「片道出向」と「業務出向」というのがあって、ドラマの中で恐れられていたのは「片道出向」のほう。行ったら出向先の待遇で、もう銀行に戻ることはほとんどありません。

一方、「業務出向」は、再建などの特命のケースや、専門性を高める育成目的のケースなどがありますが、待遇は銀行と同じで一定期間ののちに銀行に戻ります。銀行では経験できない業務が多くて、とても良いスキル形成の機会になります。

私も10年間の短い銀行員生活の中で2回出向しました。

1回目は不動産管理・開発会社。
賃貸管理や収益物件の評価・鑑定などの実務を学びました。立ち退きや家賃回収など銀行では経験することのない業務もしました。

2回目は、たまたまスペイン語ができたのでスペインにある海外リゾート法人へ。
現地でホテルやゴルフ場などの財務関連を担当しました。直接会社経営に触れた最初の経験でした。

このときの経験が評価されたのかわかりませんが、3年後に本社に戻るとM&A業務(企業の買収・売却の仲介業務)を担当させてもらいました。企業の経営戦略にかかわることができるやりがいのある仕事でした。このM&Aの仕事が経営コンサルタントを志向するきっかけになり、2年後の異動の前に銀行を退職してコンサルタント会社へ転職することになった次第です。

私の社会人経験の中で、この2回の出向はかなり重要な位置づけになっています。

 

半沢直樹も東京セントラル証券へ出向を命じられるところで終わりましたが、銀行ではできない証券業務で活躍してまたちゃんと銀行に戻ってこれるんじゃないでしょうか。出向も悪くないですよ。

続編が楽しみですね。