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「イニシャルコストとランニングコスト、先に払うか後で払うか、どっちがお得?」~ハッピーリッチメルマガより~

2013年11月14日

~ハッピーリッチアカデミー168号より~

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

マイホーム購入を検討されている方にFP相談をする際に、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」についてお話しさせていただくことがよくあります。

「イニシャルコスト」とは、初めにかかる費用のこと。
物件購入費用をはじめとして、ローン保証料や登記費用、火災保険といった諸経費、印紙税、登録免許税、消費税といった税金などがそうです。

「ランニングコスト」とは、後から毎月かかる費用のこと。
マンションの管理費や修繕積立金、駐車場代などです。維持・修繕費や光熱費なども家の作り方によって後からかかってくる金額が変わったりしますね。

 

住宅では、「イニシャルコストは安いけどランニングコストが高くなるケース。」や逆に「イニシャルコストは高いけど、ランニングコストが安くなるケース。」などがあります。

一般的に、「イニシャルコストを安く抑えたい」と言う方が多くいらっしゃいます。
最初に出せる頭金には限りがあるし、住宅ローンで借りられる金額にも上限があります。その予算の中で「できるだけ物件購入価格などのイニシャルコストを安くしておきたい」と考えるのは普通の感覚ですよね。

でも、イニシャルコストは抑えたけれども、後々のランニングコストが多くかかってきて、トータルで見ると結構多くの金額を払ってしまっているというケースもありますから要注意です。

 

■マンションにはランニングコストが・・・

例えば、分譲マンションと一戸建です。

一般的に同じエリアにあるマンションと一戸建てでは土地代の負担が大きい分、一戸建ての方がイニシャルコストが高くなるケースがほとんどです。

でも長い年月のトータルで見るとどうでしょうか?

分譲マンションは、共同生活ですから、みんなの共有部分(玄関、廊下、バルコニーやエレベーターや立体駐車場などなど。要は自分のお部屋以外のスペース)はみんなで維持管理をします。その維持管理にかかる費用や修繕積立金や駐車場代などは毎月払う「ランニングコスト」ですね。

例えば、それらのランニングコストが月3万円かかるとすると・・・これが結構バカにならないんです。

単純に足してみても毎月3万円は30年間で1,080万円、40年間で1,440万円です。

1,400万円というと家一軒分くらいのレベルですね。

「イニシャルコストが安いから」という理由だけで分譲マンションを買うのは危険、と言われるのはこのランニングコストがあるからですね。

 

■光熱費1万円の差をイニシャルコストに換算すると?

例えば、光熱費も家の作り方で後々かかってくる金額が変わるランニングコストのひとつです。

最近の「高気密高断熱の家」などに代表される「省エネルギー住宅」などは毎月の電気代・ガス代などの光熱費がとても少なくて済みます。さらに太陽光発電などを上手く組み合わせればほとんどエネルギーコストがかからない家ができたりします。

 

例えば、毎月の光熱費が、「2万円かかる普通の家」と「1万円で済む高性能な家」で比較してみます。

わずか1万円ですが、それが40年間ともなると、2万円の光熱費だと総額960万円、1万円の光熱費では総額480万円。

当たり前ですが、その差は2倍。

この差480万円を今の金利で逆算して初期コストに換算するとおよそ300万円になります。

つまり、毎月1万円の光熱費が節約できるなら、初期費用で300万円余計にかけたとしても、40年間の総支払額でみるとだいたい同じくらいになるということです。

 

■これからランニングコストで注意すべきこととは?

なぜこの「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の話を長々としたかということ、これから「インフレの時代」になりそうだからです。

アベノミクスではまず「2%の物価上昇(インフレ)」を目指しています。

インフレとはモノの値段が上がることであり、それはすなわちお金の価値が下がることです。

「今日の100万円と10年後の100万円の価値は違う」とよく言われますよね。

インフレの世界だと、今の100万円の方が10年後の100万円よりも金利と物価上昇率分だけ価値が高いことになります。

つまり、今日より、明日の方がお金の価値が下がるのですから、先に支払った方がいいことになります。

インフレ社会では、ランニングコストとして後から払うより、できるだけイニシャルスコトとして最初に支払った方がよりお得ということになります。

逆にデフレ社会なら、今日よりも明日の方がお金の価値が上がるのですから、なるべく後から払った方がお得になります。

 

先ほどの「毎月3万円のランニングコスト」は、「40年間で1,440万円にもなる」と言いましたが、もしこれに年率2%のインフレ率を考慮すると、なんと「40年間で2,174万円」にもなります。

家一軒分以上になりますね。

インフレ時代にはマンションの管理費や光熱費などの後々かかるランニングコストは時間の経過とともに値上がりしていくことを考慮しておいた方がいい、ということです。

 

■いつやるの?と聞かれれば・・・

「いつやるの?今でしょ!」というフレーズが流行っていましたがこれはまさにインフレ時代の象徴ですね。

 

インフレ社会では先に払った方が得。だからモノがよく売れる。

デフレ社会では、後で払った方が得。だからモノが売れない。

シンプルに言うとそういうことです。

 

今日より明日の方がモノの値段が安くなるデフレの時代なら、「いつ?」と聞かれても「まだ先でしょ!」ですからね。

 

今回は以上です。

日本がもっと良くなりますように。

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