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2014年01月22日
いつもありがとうございます。ansの川瀬です。
今日はまずクルマの話です。
日本自動車工業会によると、2012年度の新車の平均燃費は21.6km/Lだったそうです。
2008年度が16.8Km/Lでしたので、4年間で約5kmも伸びたことになりますね。
政府目標は2015年度に17.5 Km/Lでしたから、はるかに超える水準で、前倒しで達成してしまいました。
ここ数年の間で日本のクルマはエコ化が急速に進みました。
昨年、2013年度の新車販売トップ10は、トップのアクア、2位のプリウス(どちらもトヨタ)をはじめとして、すべてハイブリッドカーやエコカーで占められました。
クルマのエコ化の流れを振り返ってみたいと思います。
元々、クルマのエコ化は「排ガス規制」や「CO2削減」など環境問題に端を発しています。
それが一気に拍車がかかったのが2008年でした。
2008年にアメリカの金融緩和を背景にして投機マネーが市場を席巻し、原油価格も高騰しました。2008年夏には1バレル140ドルを超えました。当時は連日、ガソリン代の値上がりがニュースになっていましたね。(政権交代する前の民主党の議員達が「ガソリン、値上げハンターイ!」とかやっていましたね。)
結局、バブルが崩壊するように原油の高騰は一気に収まるんですが、私たちの心の中には「ガソリン代が値上がりすると家計が大変になる・・・」ということが刻まれました。
クルマの省エネが「環境問題」から「家計問題」として実感された瞬間だったと思います。
原油が簡単に値上がりする時代に「がんがんガソリンを食うようなクルマに乗っている場合じゃない」という意識になったのです。
続く2009年にリーマンショックが起きて、景気はどん底になります。景気回復のため、政府はエコカーへの減税や補助金の名目で自動車産業を支えました。これで一気にエコカーへの買い替えが進んだわけですね。
2009年にはついに「プリウス」が販売台数トップになります。(以降プリウスは2012年までずっと首位の座を守ります)
エコが「環境問題」から「家計問題」としてみんなの意識に刻み込まれた瞬間に自動車のエコ化が加速して、それから5年で業界のエコ化が完了したと言えます。
さて今、住宅にも全く同じ流れが来ています。
きっかけは原発問題に端を発した「電気代の値上がり」です。さらに昨年、円高から円安になったことで原油やLNGの輸送費や輸入決済額も上昇しました。電気代だけでなくこの冬は灯油代も値上がりしています。
いつもよりちょっと寒いこの冬、電気代と灯油代の値上がりは家計を直撃しています。
住宅の省エネ化も「環境問題」から「家計問題」になっています。
「これから電気代などが値上がりするかもわからない時代に光熱費ががんがんかかるような家に住んでいる場合じゃない」という意識に皆さんがなり始めているんじゃないかと思います。
そんな時に、消費増税があり、家の新築、建替えが増えています。
政府は「2020年に省エネ住宅を義務化する」ことを明らかにしています。2020年にはすべての新築住宅が、国が定める断熱性能などの省エネ基準を達成しなければなりません。
中古住宅についても断熱リフォームを推進していく方針が決まっています。
ただ統計では、現在はまだ新築一戸建で国が定める省エネ基準を満たしているのは全体の4割弱程度なんです。
ここが自動車業界と大きく違うところです。
クルマと同じように、2020年を待たずに日本のすべての新築住宅が断熱性能のいい家になって、皆が省エネ住宅で快適に暮らせるようになるといいですね。
日本の住宅の「エコ化」は、これからますます進んでいくと思います。
2014年が、その「エコ住宅普及元年」になることを願っています。