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大変なことですね。VW事件。

2015年10月18日

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

それにしても大変ですね。何が大変かって、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)です。

ディーゼル車の排ガス規制検査で不正を行っていたという事件は世界的に相当な影響を及ぼすのではないでしょうか。

タチが悪いのは、これは事故でもミスでもなく完全な不正であったということです。「環境対応している」と言いながら現実には規制の40倍相当の有害物質を出していたとか。しかもそういう不正があることを少なくとも30人くらいの幹部は知っていたとも報道されています。

組織ぐるみだったということですね。組織ぐるみの不正はアメリカ市場が最も嫌うところです。

徹底的にやられるでしょうね。

 

リコール(回収)などの対策費としてVWは1兆円もの特別損失を出しましたが、おそらくそれだけでは終わらないでしょう。販売への影響は未知数ですが、少なくとも今回不正が発覚したアメリカでは今後積極的にVWを買おうという消費者はいないでしょうね。

「VWは解体に至る可能性もある」という評論家もいるくらいです。

言うまでもなく自動車産業はドイツの主要産業です。その中心的存在であるVWのつまづきは、EUでも唯一景気が良かったドイツの景気を下押しすることは間違いありません。EUの景気が悪くなるとその影響はEUへの輸出依存度の高い中国経済にも及びます。ただでさえ今の中国は経済的に弱体化していて景気の先行きが危ういというのに…。中国経済が悪くなると中国への経済依存度が高い日本も影響を受けるということになりますね。

結局、EU経済の悪化の影響は日本にまで及ぶことになるわけです。困ったことですね。

もしかしたら、ドイツ車の落ち込みは、電気自動車やハイブリッド技術で先を行く日本車の評価を相対的に上げるかもしれません。でもトヨタは事件発覚早々に「トヨタはVWの苦境に付けこむようなことは断じてしてはならない。」と社内で発表したそうです。つまりトヨタは今回のことをライバル社の失点と捉えるのではなく、業界全体の信用問題と受け止めているのでしょうね。

本当に大事ですね、信用。

当たり前ですが、ウソはいけませんね。信用は大事にしなければ、とつくづく思うとともに、VW問題が世界経済に悪い影響を与えないでもらいたいと願う次第です。