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2015年12月22日
いつもありがとうございます。ansの川瀬です。
年の瀬ですね。すでに世の中は来年2016年に向けて動き出しています。
先日(12月18日)、2015年度の補正予算が閣議決定されました。総額はおよそ3.3兆円です。
昨年同時期の補正予算が3.5兆円でしたから、ほぼ前年並みですね。昨年はここから約2000億円が住宅部門に回りました(フラット35Sの金利優遇と住宅省エネポイント)が、今年は住宅部門はありませんでしたね。ちょっと残念です。
それはまぁ仕方がないのですが、「では何に使われるのか?」と詳細を見ていくと、もっと残念な感じになります。
3.3兆円の約半分の1.16兆円が「一億総活躍社会の実現」に使われます。
その中で一番多いのが「低年金の高齢者への臨時給付金」で3,624億円です。
これは低所得の高齢者に3万円を配るというものです。今回の補正予算の目玉ですね。
狙いは「効果的な消費喚起策として所得の低い高齢者層に焦点を当てる」(加藤担当相)ことだそうです。民主党など野党は「7月の参院選を意識したバラマキだ!」と一斉に反発しました。
これには自民党からも「少子化対策も必要なのにかぜ高齢者ばかり優遇するのか?」との批判が出ました。小泉進次郎議員は最後まで「アベノミクスを支えるのは高齢者か?それは違う。納得できない。」と反対しました。
これはまぁ、政治的な判断でしょうね。小泉進次郎議員が言っていることが正論だと思います。
「一億総活躍」と言いながら、「高齢者向け給付金」が3,624億円なのに対して、子育て関連では「保育所などの整備」が511億円です。これだとシルバー民主主義(=選挙の集票が見込める高齢者向けの政策を優先すること)と言われても仕方がないですね。
景気対策としても効果は「?」です。
恐らくですがこの給付金はそれほど消費には回らないと思います。
2009年の麻生政権の時に景気対策として「定額給付金」(12,000円、高齢者と子供は20,000円)を配りましたよね。後の分析によると消費に回ったのは約25%だったそうです。残りは貯蓄に回ったとのこと。
しかも今回は慎ましい暮らしをなさっている高齢者の方々向けですからね。
大切に貯蓄に回されるのではないでしょうか。
ま、景気は政府に頼らずともみんなで良くしていくしかありませんからいいんですけど、「これは良い政策だ!」とはちょっと言いづらいことは確かですね。