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ふるさとは遠きにありて思ふもの

2017年09月20日

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

少し気を抜いているうちにすっかり秋になってしまいましたね。朝晩は涼しくなりましたし、日が暮れるのも早くなりました。

夕暮れ時に西に沈む夕日を眺めたりしていますと、ノスタルジックな気分になって子供の頃に住んでいた故郷を思い出したりします。

 

私の故郷は愛知県の一番西の端っこ、木曽川の河口に位置する田舎町で、「弥富(やとみ)」というところです。名産が「金魚」ということくらいしか自慢のないところです。濃尾平野の出口みたいな場所ですので、基本的に湿地帯で田んぼばかりのところです。

田んぼと金魚の養殖池ばかりですから、夏になると蚊が大量に発生するし、夜にはカエルが大合唱です。冬は冬で西の伊吹山の方面から「伊吹おろし」という強風が吹き荒れます。田んぼばかりで遮るものがないためとにかく強い風が吹きわたります。

中学、高校と自転車で通っていたのですが、夕日を眺めながら優雅に通学、などということはなく、いつも伊吹おろしに向かって競輪選手のように頭を下げ、お尻を上げて自転車をこぎ続けるという日々でした。(お陰で足腰は強くなりました)

私はその弥富で生まれ育ち、高校を卒業するまでの18年間をそこで過ごしました。

なんの取柄もないその田舎町が私は好きではありませんでした。冬に雪がまじる横殴りの伊吹おろしに向かって自転車をこいでいる時には「いつかこんな町は出ていってやる!」と思っていました。

その望みがかない(?)、大学から東京に行きました。そのまま就職も東京です。その後、転勤や転職などで各地を転々としまして、今は京都に自宅があります。ただ、仕事がら京都の自宅に戻ることは月に数回しかなく、本社のある東京やansのある熊本、あとはお客様のいらっしゃる全国各地を回っています。

 

そうこうしているうちに今年、50歳になりました。弥富を出てから32年です。

子供の頃、あれほど嫌だった弥富ですが今はとても懐かしく思い出します。幼少期を思い出す時はいつも弥富の風景がそこにあります。

今でも両親が実家で元気に暮らしていますので、お盆と正月くらいには家族を連れて帰っています。子供の頃、日が暮れるまで遊んでいた空き地には家が立ち並んでいたりしていますが、夏のカエルも冬の強い風も昔と変わらずお馴染みのものです。

そして、面白いことに京都で生まれ育っている私の息子はたまに里帰りで行くこの弥富が大好きなのだそうです。おじいちゃん、おばあちゃんがいるからだとも思いますが、あの中途半端な田舎ぶりがいいのだそうです。

今は、年を取ったらまた帰って暮らしてもいいな、と思ったりします。住んだらまた嫌になるかもしれませんけどね。

私のふるさとのお話しでした。

みなさんのふるさとはどこですか?