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ans代表 川瀬ブログ

2016年6月

消費増税延期!

2016.6.6

いつもありがとうございます。ansの川瀬です。

消費増税についてメルマガを書きました。ご参考になれば幸いです。

 

 

『消費増税延期!~社会保障の充実と財政再建は先送り?~』
(ハッピーリッチ・アカデミー245号 平成28年6月3日配信)

6月1日に安倍総理が消費増税を2年半延期することを発表しましたね。

↓↓↓

<首相、消費増税延期を発表 19年10月に10%>

(平成28年6月2日付 日本経済新聞)

『安倍晋三首相は1日、首相官邸で記者会見し、消費税の税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半先延ばしすることを表明した。新興国経済の落ち込みなど世界経済の下振れリスクを挙げ「リスクには備えねばならない」と指摘。世界経済が新たな危機に陥ることを回避するため、政策総動員が必要だと強調した。』

 

サプライズ、ではないですね。

ここ数か月の世の中の雰囲気を見て、多くの方が「延期するんだろうな~」と思っていたと思います。

GDPの伸びはほぼないし、景気は足踏み状態と言えます。中でも肝心の消費が回復していません。

「消費を増やすのが景気回復の鍵」と言われているのに、このタイミングで消費を冷え込ませるような消費増税をやってしまっては、景気の腰が折れてしまいかねません。

世論調査でも大体6割以上の人が増税に反対していました。

現時点では増税延期は妥当な判断だと思います。

 

■社会保障と財政の問題は先送り、次は大丈夫?

ただ、安倍総理の説明はちょっと苦しかったですね。

新興国など世界経済のせいにしていましたが、明らかに苦しい。前回の延期時に安倍総理は「次は絶対に上げる。景気条項も付けません。」と高らかに宣言していましたので、今回の延期は完全に公約違反です。7月の参院選のこともあって「結局アベノミクスは失敗だったのでは?」という議論も避けたいところでしょう。

「景気が良くなっていないので延期します」とはっきり言えない状況にあるのは何ともお気の毒なことでした。

 

しかし、次の2年半後の2019年10月末には本当に上げられるでしょうか?

今回の延期で消費税を上げるハードルはかなり上がってしまったと思います。

 

確かに、今は消費は伸び悩みGDPの成長率も芳しくありません。一方で雇用は順調です。求人倍率は全国でずっと1倍を超える「人手不足」状態ですし、失業率もほぼ完全雇用と言える3%前半という低い水準です。景気は足踏み状態とは言え、決して最悪の状況ではありません。

これで増税出来ないとなると、「ホントに次は大丈夫だろうか…?」と思ってしまいますね。

 

消費増税はいずれはやらないといけない、というのは大方の合意事項だと思います。

なぜなら社会保障の充実を財政健全化が必要だからですね。

今回の延期で1.3兆円の予算を見込んでいた保育や介護への財源がなくなりました。それでも安倍総理は「一部は実施する」と言っています。財源は赤字国債ではなく、今年の税収増加分を使うとのこと。

確かに今年の所得税収は増えるようです。17.7兆円という14年ぶりの高水準になる、という発表がありました。ただし、この財源は一時的なものです。今回の延期で社会保障制度の充実と財政健全化が遅れるのは間違いありません。

 

■「消費税より相続税・所得税」という議論

今回の消費増税延期の報道を受けて、「やはり逆進性のある消費税ではなく、富裕層への相続増税とか高額所得者への所得増税をして格差をなくさないといけない」と主張している評論家の人などがいました。

相続税の増税も高額所得者への所得税増税もここ数年ですでに実施されています。

相続税は今年から基礎控除額が引き下げられ、実質的にかなりの増税になっています。所得税についても高額所得者に対する所得控除額が段階的に引き下げれます。これも増税になっています。所得税の増税は住民税や社会保険料にも及びますので高所得者の方の負担は結構増えています。サラリーマンについて言えば、すべての方の厚生年金保険料が毎年徐々に引き上げられており、平成30年まで続くことが決まっています。

取れるところから取る、というのはもうずっとやっています。これ以上の富裕層への課税強化には富の流出など弊害も懸念されています。

 

「なぜ消費税でないとダメなのか?」というと日本は少子高齢化で生産年齢人口(15歳以上~65歳未満)が減り続けていくからですね。働いて稼ぐ若い人が減っていく、年金・医療・介護費用がかかる高齢者は増えていく。

高齢者の方々にも一定の負担をしてもらうという意味では消費税がいいということになります。

 

■低成長経済は日本の構造的な問題、では私たちはどうする?

個人消費が伸びていないのも少子高齢化の要因はあると思います。

「消費が伸びないのは賃金が増えないからだ」という指摘がありますが、賃金の総支給額が伸びないのは比較的高所得なベテランが大量に退職しているという世代交代も原因のひとつです。

今、退職している65歳前後の人口は一年代あたり大体200万人です。今、就職しているような20歳前後は120万人くらいです。その差、年80万人。

すごい勢いで働ける人たちが減っています。就労人口でいうと毎年約20万人の働き手が減っているそうです。

 

高齢世帯は老後に備えて貯蓄をして、若者にはお金がありません。しかも40代50代でゆとりのある高額所得世帯へは毎年増税です。

これでは消費の担い手がいません。なかなか日本は大変ですね。

 

日本は少子高齢化と成熟した低成長経済の国になっています。これは構造的な問題であり、政治だけで解決できる問題ではありません。

社会保障の充実も財政再建も財源が必要です。財源はないところからは取れません。結局、最後は経済を大きくするしかないのですが、今の日本で経済を大きくするのは簡単なことではないのです。

国民全員が頑張って稼いで、消費をして、貯蓄して、納税もしないといけない。社会が悪いとか誰々が悪いという前に「自分が頑張らねば」と思うのです

是非、参院選に向けては与党、野党ともに足の引っ張り合いやごまかしではない建設的な議論をしてもらいたいですね。

 

(ハッピーリッチ・アカデミー 245号より)

 

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