COLUMN
こんにちは、ans静岡南店の宮内です。
まだ4月中旬と言うのに初夏の陽気で、家のプランターのビオラがしおれていました。
明日は雨だからと油断していましたが、もう毎日お水をあげないといけませんね。
お花も夏になると軒下に移動させている光景をよく見かけますが、昔のお家は必ずと言っていいほど軒があり、軒のない家はほとんどありませんでした。
最近はスタイリッシュでシンプルな外観のお家も増え、軒のない家をあちこちで見かけます。
私のお家の裏のお宅もキューブ型で軒はありません。
今日はそんな「軒のない家」のメリット・デメリットについて、お話したいと思います。
軒がない家は、軒の上、つまり屋根の材料が少なくて済みます。
もちろん屋根も模型のようにポンと乗っているだけではなく、数種類の部材から成り立っているので、
屋根が軒の分少し減るだけでも、建築コストを抑えられる場合もあるんですね。
ビルをイメージしてください。
ビルの屋根や窓に軒がついていたら古風な旅館のようですね。
軒がない家は、それだけでスタイリッシュに見えます。
軒のない家は日の光を遮るものがありません。
冬の昼間が短い期間でも、暖かい光を室内に長く取り入れることができます。
断熱性の高い窓なら、日の光で昔のお家のように縁側がぽかぽかあったかいと言うことはないかも
しれませんが、室内が明るければ電気を付けずにいられる時間は短く、電気代は抑えられる可能性もありますね。
隣の建物との間隔が狭く土地面積が小さい、いわゆる狭小地で軒のない家は、軒がない分、建てて良い面積ギリギリまで建物を広げることができます。
軒があると、軒の端から隣の建物までの距離の確保が必要になるので、狭小地なら軒のない家の方が広く建てられる場合が多いんですね。
軒のない家はキューブ型であることが多いです。
模型をつくって実験してみるとよくわかるのですが、軒を延ばした三角屋根の家と、軒のないキューブ型の家では軒のない家の方が耐震性に優れています。
軒のない家のメリットは上記5つでした。
ではデメリットはどうでしょうか?
軒のない家は、外壁やそのシーリング部分の直射日光に当たる面積が増えます。
シーリングは主に樹脂でできていることが多く、樹脂は紫外線の影響により劣化することは免れません。
軒のない家は紫外線の影響を受けやすいと言えます。
軒のある家は、軒下にエアコンの室外機を置くことが多いですが、軒のない家はどこに置いても雨や直射日光に直にさらされる時間が多くなります。
エアコンの室外機だけではなく、給湯器も同様で、寿命が短くなるかもしれません。
軒のない家の最大のデメリットはやはり雨漏りするリスクが上がることでしょう。
先程の①や②とも関連して来ますが、外壁や窓枠のシーリングなど紫外線で劣化したところに直接雨が当たり続ければ、それは雨漏りの原因の一つとなり得ます。
こちらは人ぞれぞれかもしれませんが、私は雨の日でも窓を開けたい派です。
特に梅雨の時期など、室内に人が多いと室温が上がってしまい、窓を開けて温度調節したいです。
もちろん軒があっても暴風雨の日は窓を開けることはできませんが、軒のない家は小雨でも窓を開けたら雨が降り込んできてしまいます。
こちらは先程のメリット③がデメリットにもなると言うことですが、冬は明るい時間が長くて良い反面、夏の強烈な日差しも遮られることなく室内に入ります。
室内の気温が上がればエアコンの消費電力も増えますし、軒のない家にとって、夏場の大きな窓にはサンシェードが必須かもしれません。
デメリットも5つ挙げましたが、いかがでしょうか?
もちろん、軒のない家が悪いわけではありません。
自分の家の外観を見るたびに、軒が無い方がよかったと後悔するくらいなら軒のない家にした方がいいでしょうし、私の様にプランターの花の避暑地や霜よけで軒下を使いたい場合は軒が必要でしょう。
お住まいづくりは「何を優先したいか」で決まってきます。
住宅会社さんによっては、デメリットを考慮してうちは軒のない家はやらないよ、と言う住宅会社さんもあるのも事実ですし軒のない家の特性を生かしてできるだけ安く丈夫に、高性能で建てている住宅会社さんがあるのも事実です。
建物の間取りばかりに気が行くと忘れがちですが、狭小地のように建てる土地によっては軒のない家しか入らない場合もあります。
これからお住まいづくりをご検討されている方は、ぜひ自分達には何があっているのか、自分たちの土地には何があっているのか、ご家族の優先順位をしっかり決めて進めて頂ければと思います。
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軒のない家じゃなくても良いけど他にどんなデザインがあるの?
と言う方はぜひこちらのブログもご覧ください⇊